当院の感染対策について~院長の解説付き

「このコロナ禍、歯医者さんへ行っても大丈夫なのかしら」

そのように不安に思っている方、多くいらっしゃると思います。大阪府知事の吉村さんがツイッターでおっしゃっているように、歯科医院ではクラスターが発生していません。(2021/1末現在)
それにはそれ相応の理由があるのです。

当院で行っている感染対策、コロナを機に始めた事、コロナ以前からやっていた事、ご紹介します。

コロナを機に始めた対策3つ

難しい言葉が出てきますので、その都度「教えて川名部先生!」でお答えしていきます!

【教えて川名部先生!】

1. 医療用高機能空気清浄機を導入

エアロゾルが万が一発生しないように、1分以内にウイルスなど全ての粉塵を吸引し、清潔な空気を作り出す医療用高機能空気清浄機「エアロスクリーン」を導入しました。
この空気清浄機は、毎分35㎥の空気清浄能力を持っています。
6,000箇所以上の医療施設での納入実績のある本格的な業務用空気清浄装置です。
市販の置き型空気清浄機の7~10倍の空気清浄能力があります。詳しくはコチラ

【教えて川名部先生!その1】

Qエアロゾルって何?

A気体中に浮遊している、とても小さな液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体のことです。
具体例としては、歯を削るときに出る削った部分や水しぶきなどです。

2.足踏み式消毒スタンドの設置

医院の入口に足踏み式の手指の消毒スタンドを設置しました。
ペダルを踏むことで、手で直接(ポンプ式)ボトルに触れずに、衛生的に手指の消毒を行うことができる消毒台です。

株式会社玉川パイプ 『STEP ON!』

3.検温の実施

非接触型体温計で検温を実施しています。

コロナ以前からやっていた対策3つ

歯医者さんはお口の中を触る仕事ですので、コロナ以前から感染対策は「当たり前」でした。
歯科には標準予防策(Standard Precautions:スタンダードプリコーション)という感染予防策があります。
その内容は「すべての患者さんのすべての湿性生体物質:血液、体液、分泌物、嘔吐物、排泄物、創傷皮膚、粘膜等は、感染性があるものとして取り扱わなければならない」というものです。
出典:公益社団法人 日本歯科医師会「新たな感染症を踏まえた歯科診療ガイドライン」

では、具体的にどのようなことをしていたのでしょうか?

1.完全「滅菌(めっきん)」した機材しか使いません

菌やウイルスを完全に取り除いて「滅菌」された器具機材しか使いません。
でも菌やウイルスを完全に取り除くことなんてできるのでしょうか?

【教えて川名部先生!その2】

Qどうやって菌やウイルスを完全に取り除くの?

A院内で使う道具は、クラスB滅菌機(最高クラス滅菌機)で滅菌しています。

Q滅菌機って何?

A高圧蒸気滅菌法のための機械です。
高圧蒸気滅菌法とは、熱エネルギーで微生物を殺滅する方法です。
空気中における単なる熱エネルギーによる滅菌(乾熱滅菌)と比較して、水分(蒸気)の存在下では熱によるたんぱく質の変性が促がされるため、他の滅菌方法と比較して非常に短時間で無菌性保証水準(滅菌保証レベル)に到達することができます。

 

QクラスBってどういう事?

A高圧蒸気滅菌機には3種類あります。
減圧工程を有する機種(クラスB)と、無い機種(クラスNクラスS)があり、滅菌の性能が異なります。
複雑な構造の医療機器(歯を削るタービンなど)は、減圧工程がある高圧蒸気滅菌機で滅菌する必要があります。
ちなみに、134度で3分間滅菌することでSAL(滅菌保証レベル)に達します。

 

Qどうして歯の治療に使う道具は「紙とビニール」に包まれているの?

A機器が滅菌された後、使われるまでの間も無菌でなくてはなりません。
そのため包装して内部と外界を微生物的に隔離します。
先ほどお話ししたクラスBの滅菌機に、機器類をオートクレーブした(紙とビニールに包まれている状態にした)滅菌バッグを入れ滅菌します。
滅菌バッグの紙面には滅菌材(蒸気や酸化エチレンガスなど)は浸透させるが、微生物は透過させない程度の貫通孔があります。
この隙間を利用して内部を殺菌するのです。

参考:クインテッセンス出版株式会社「歯科医院の感染管理 常識非常識」
 

Q「滅菌」は「殺菌」「除菌」とは違うの?

A似ている言葉ですが、内容は下記のように全然違います。

滅菌:細菌やウイルスの完全に死滅させ、除去する
殺菌:病原性を持った菌やウイルスをある程度減らす
除菌:細菌数を減らす

2.口腔外バキューム

患者さんの治療中に唾液等が飛ぶリスクがあるので、その唾液等が飛ばないように口腔外バキュームを設置しています。

3.患者さんごとのグローブの交換や器具機材

当たり前すぎますが、患者さんごとにグローブや器具を交換しています。

院長より一言

歯科医院ではコロナウイルスを含む感染予防を、普段から手間をかけて実践しています。
患者さん、そしてスタッフのためにも感染対策は最重要課題なのです。
お口の中を清潔に保つことが免疫力アップにつながります。
糀谷の皆様のお口の健康を守り維持していくことが、ホームドクターとしての当院のミッションです。

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糀谷の皆様の健康に対する理解を深めていただくことも、歯科医師としての大事な仕事と考えております。