歯の根の治療(根管治療)の難しさ
「虫歯が進んで、歯の根の治療をしなくてはならない…」
「歯を抜きたくないけど『歯を抜くしかない』と歯医者さんで言われて、ショック…」
歯医者さんでの歯の根の治療をすることになって初めてその治療の難しさを知ったという方、多いのではないのでしょうか?
その通りで、歯の根の治療は、とても難しいのです。
歯の根(神経)は非常に複雑に分岐しています。
実は一昔前、歯の根の治療は、経験や勘に頼るところが大きい治療でした。
マイクロスコープを用いることで「勘」ではなく「診て」治療できるようになりました。
川名部歯科医院でのマイクロスコープを使った歯の根の治療の取り組みについて、お話しいたします。
※歯の根の治療は、「根管治療(こんかんちりょう)」「歯内療法(しないりょうほう)」とも言います。
マイクロスコープって何?
歯科用顕微鏡です。
当院では、100年以上の歴史を持つドイツのカメラ・レンズメーカー「カールツァイス製」のマイクロスコープを利用しています。
マイクロスコープだけが強みでない、当院ならではの「歯の根の治療」5つの安心材料
1.マイクロスコープでの「見える化」
先ほども申し上げたように、マイクロスコープを使うことで神経の細かいところまで見ることができます。
その倍率は、なんと肉眼の20倍です。
しっかり診ながら早い治療が可能で、成功率が上がることで、今後再治療になる可能性が低くなり、さらには抜歯リスクを減らすことが出来ます。
簡単に言うと、短期間でかつ歯を長持ちさせる治療が出来ます。
2.CTでも立体にして「見える化」
歯の根の治療は、目やマイクロスコープで「見えるところ以外」の情報もとても大事になってきます。
歯の根っこは、曲がったり、複雑に枝分かれしています。
当院には3Dスキャナーが設置されています。
CTを撮ることによって、3D(立体)で歯の根っこの状況を把握すること出来ます。
普通の2D(平面)のレントゲンと比べ物にならないくらいの多くの情報を得ることが出来るので、表面から見えない歯ぐきの中の問題を発見できるのです。
3.「無菌」の取り組み~「ラバーダム」
「『ラバーダム」って何?」
お口の中で「ラバー=ゴム」を用いて作る「ダム」のことです。
通常の虫歯の治療でも、バキュームという唾液(だえき:よだれ)を吸う機械を使用しながら治療をすることをご存じかと思います。
緊張すると「よだれがいっぱい出て、ちょっと恥ずかしい」という思いをされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな唾液には、1ccあたり10億個も細菌が含まれているといわれています。
なので、唾液が治療中の歯の根っこに入ってしまうと、せっかく殺菌しても元の木阿弥です。
下記の図のように、治療している歯の部分に唾液が入らないようにせき止めます。
欧米では、ラバーダムをしないで治療すると医師免許がはく奪される規則があるそうですが、日本の歯科医院では低い割合でしか用いられていないのが現実です。
4.抜歯寸前の歯を救う「MTAセメント」
「歯の根に穴が空いてしまっている。」
「歯の根の先端が壊れてしまっている。」
などの場合、本来歯を抜くいわゆる「抜歯」と診断されます。
しかし、当院では殺菌作用や再生作用のあるMTAセメントを使用して歯を抜かずに救うことが可能です。
他院で抜歯と診断されても当院のマイクロスコープとMTAセメントを用いた治療で残せる可能性もあるので、一度ご相談ください。
5.歯の根の治療専用の機械(WAVE ONE)がある
この機械は、曲がってる歯の根の細かいところなどの細菌も素早い動きでしっかり除去することができます。従って、時間短縮と高い治療効果が発揮出来ます。
歯の根の治療 Q&A
自分の歯の事なのに、分からないことだらけの歯の根っこの治療。
ご自身の歯の事ですから、少しでも分かるようにしておきたいものです。
このコーナーでは、患者さんがなかなか聞けない素朴な疑問にお答えいたします。
Q歯の根っこってどこの部分を指してるの?
A神経や血管をまとめて「歯髄(しずい)」といいます。
それが歯の根っこです。(下記図参照)
下記の図のように単純でなく、実際の歯の根は主根だけでなく側根が網の目のように走っています。
Q神経の太さや形は一人一人違うのですか?
A神経の太さは年を重ねるごとに狭窄していきますので、一人一人違います。
また根っこの数や形も人により違う為、非常に治療の難しい歯を持ってる患者さんもいます。
そういった複雑で難しい根っこを持っている患者さんは、前医でマイクロスコープを用いて治療を行っていない場合、うまくいってないことも多いです。
もし何度も根の治療を繰り返してる歯があれば、その歯はおそらく複雑で難しい根っこの可能性が高いので、マイクロスコープのある歯科医院での治療をオススメします。
Q放っておくとどうなるの?
A下記の諸症状が起こってきます。
歯が痛くなる
根の周囲に炎症が起き、腫れる
リンパ節が腫れる
発熱する
Q歯の根っこの治療は、実際何をしますか?
A歯髄の除去(抜髄:ばつずい)、清掃、消毒、詰め物(根充:こんじゅう)を行い、上物をかぶせます。
何回も歯医者さんに通わなくてはならい大変な治療ですが、きちんとした治療を怠ると再発のリスクが高まります。
Q歯の根っこの病気は、腫れますか?
A腫れることもあります。腫れは正常な免疫反応です。
Q根を神経を抜くとどうなりますか?
A血液などで栄養補給が行き届かなくなるため、歯が脆くなります。
Q時間はどれくらい掛かりますか?
A通常の保険の根の治療は1回の治療は30分、通院回数は週1回の通院で最低で1~1カ月半掛かります。
マイクロスコープを用いた治療になりますと、1時間程度の時間をとって一気に治療を進めることが可能です。
短い期間で効率よく、かつ長持ちする治療が出来ます。
知っておいて頂きたいこと
歯の根の治療は「ラバーダム」がとても大事なのです。
なぜか?
唾液が根の中に入ってバイキンを残したまま蓋をしてしまえば、その中でバイキンが「暗躍」するからです。
「殺菌すれば大丈夫なんじゃない?」
残念ながら、抗生物質が入ってきてもシャットアウトできるところにバイキンが住んでいることもあるので(バイキンも生き残りに必死なのです)、ラバーダムを用いることとマイクロスコープを用いた精密治療が成功のカギとなります。
緻密に治療すれば再発のリスクを低くすることができます。
急がば回れ、痛い思いを何度もしなくて済むように、ここはひとつ、ラバーダムとマイクロスコープを用いた当院の精密治療を受けてみませんか?
※料金については、「料金表のページ」 をご覧下さい。
治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項
歯科治療に伴い、歯肉退縮、歯根吸収、虫歯、歯周病などを引き起こすリスクがあります。
また、生態的移動に関して個人差により予測された治療期間が前後する可能性や、当初の治療計画から変更を伴う可能性があります。
患者さまが担当医から適応するとの診断を受けた場合、患者さまが担当医による歯科治療を希望する場合は、担当医と歯正治療に関する診療契約を締結するものとします。
なお、本診療契約は患者さまと担当医の間で締結されるものであって、弊社は契約の当事者になるものではなく、歯科医業を行うものではありません。
患者さまが担当医から適応しないとの診断を受けた場合、本契約は終了するものとします。
受診において、患者さまが、担当医から虫歯等の治療が必要と診断された場合であっても、患者さまが担当医による歯科治療を希望する場合は、担当医との本診療契約を締結するものとしますが、当該治療等が終了するまでの間は歯科治療を受けることはできません。