摂食嚥下
元気なときは、ご飯を食べて飲み込むということは、何も考えなくてもできる行為です。
当たり前のように食べ物を口に運び、噛み、飲み込む・・。
実はその動作は、とても複雑な動きなのです。
摂食嚥下(せっしょくえんげ)って?
簡単に言うと、口に入れて噛んで飲み下すことです。
摂食嚥下のことを勉強する上で、食べて飲み込むことをこれだけ細分化するのです。
それほど複雑な動作なのです。
1.先行期:「あ、これ食べよう!」と認知する
2.準備期・咀嚼期:口に入れて食塊(しょっかい:食べ物の塊)を作る
3.口腔期(嚥下第1期):口からノドヘ運ぶ、ゴックンする
4.咽頭期(嚥下第2期):ノドから食道へ、送り込む時期
5.食道期(嚥下第3期):食道から胃へ送り込む時期
摂食嚥下のトリビア
食べるときの動作について、無意識にできているうちは、気がつかないことだらけです。
● 口を空けたまま飲むこことはできません
ベロが上あごとの間の空間を作らないようにしないと飲み込めない仕組みなのです。
さらに、のどの下で食道と気管を振り分ける仕組みを声帯がやっています。
さらに、のどの下で食道と気管を振り分ける仕組みを声帯がやっています。
よく聞く誤嚥性肺炎は、飲み下した食べ物が、間違って気管に入ってしまい、そこで炎症を起こすために起こる肺炎です。
入ってきた食べ物を気管に入らないように塞ぐのですが、筋肉が弱ってくると、ちゃんとフタができず、肺に入ってしまうという仕組みです。
元気なうちは、気管に入りそうになると、むせて気管に入らないようにしています。
その機能が衰えてくるのです。
のど周りの筋肉が衰え、うまく飲み込めないことを「摂食嚥下障害」といいます。
腹筋を鍛えるのと同じように、のどの周りの筋肉も鍛えるまではいかなくてもトレーニング・リハビリできるわけです。
そのお手伝いができるのも、歯科医師の仕事なのです。