診療のご案内--

 

栄養士によるカウンセリング/インタビュー

当院には管理栄養士が在籍しております

「どうして歯医者さんに管理栄養士さん??」

川名部歯科医院は、こう考えています。

  • 1.「定期的なカウンセリング」と「いつでも相談できる環境」を作ります。
  • 2.ひとりひとりの生活習慣に寄り添った食生活の提案を行い、患者さんを健康で豊かな生活に導きます。

この目標を実現するため、管理栄養士が常駐し、患者さんの食生活の改善、栄養サポートを行っております。

当院の管理栄養士をご紹介します

寺田

役割:診療室での栄養相談 + 訪問診療での栄養相談
経歴:香川栄養専門学校栄養専門課程栄養士科卒業
   病院で入院患者の栄養管理や有料老人ホームにて入居者の栄養管理に従事
資格:管理栄養士
   日本摂食嚥下リハビリテーション学会 認定士

歯医者で働いている管理栄養士さん、どのようなことをしているのかインタビューしてみました!

管理栄養士のカウンセリングの種類はコチラ

1.管理栄養士の仕事内容は?

2.どうして歯医者さんに管理栄養士??

3.歯医者さんのついでに糖尿病検査??

4.歯科の現場で管理栄養士がいる意義は?

5.AGEs(体の糖化検査)を測定します(ドキドキ)

1.管理栄養士の仕事内容は?

―管理栄養士さんと栄養士さんの違いを教えてください。

管理栄養士は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格になります。病気を患っている方や高齢で食事がとりづらくなっている方、健康な方に対して一人ひとりに合わせた専門的な知識と技術を持って栄養指導や給食管理、栄養管理を行います。

栄養士は都道府県知事の免許を受けた資格です。主に健康な方を対象にして栄養指導などを行います。

―どうして管理栄養士になろうと思ったのですか?

理系の勉強をしていて、直接自分のためになるようなことを学びたいと思い、管理栄養士を目指しました。

―栄養士って理系ですよね、計算が得意でないといけない?

計算が苦手でも栄養計算ができるソフトがありますのでそれほど苦痛にはならないと思います。 献立作成の際には、例えば「えのきだけ」を選択し量を入力すればカロリーをはじめ栄養素の数値が表示されます。

―カウンセリングはどちらで行っているのですか?

カウンセリングルームにて行っています。

―費用は?

無料と有料があります。

ひとつ目は「虫歯予防のカウンセリング」です。

唾液検査の予約時に患者さんにアンケートをお渡しして記載していただきます。次に歯科衛生士が唾液検査の結果をもとにカウンセリングを行います。その後に管理栄養士より食事面からの虫歯予防のためのカウンセリングを行います。
3日分の食事内容を書いていただく、または食事の写真を撮影しLINEで送っていただきエネルギーや栄養素を計算します。

虫歯のカウンセリングは唾液検査の料金に含まれるので別途費用は掛かりません。

時間は15分くらいです。

ふたつ目は、「食事・栄養サポート」です。

3日分の食事を書き出してもらうか、食事の写真を撮ってLINEで送ってもらって、エネルギーや栄養素を計算します。

―何を食べたか振り返るのって、病気になった時くらいしかしないですよね。患者さんの食事内容をご覧になってみてどうですか?

主食のご飯や主菜の肉や魚などはしっかり食べていても、野菜やきのこ類などが不足している方は多く見受けられます。

―なるほど。ちなみに、野菜ジュースはどうなんでしょう?

野菜不足を野菜ジュースで完全に補えるかというと難しいです。

野菜ジュースでは加工することで吸収がアップする栄養素もありますが、加熱することで失われてしまう栄養素もあります。

糖分が含まれているものもありますし、食物繊維量も減少してしまいます。

あくまでも補助的な位置づけになるかと思います。
野菜を食べることのメリットのひとつとして咀嚼回数が増えることがあげられます。

噛む回数が増えることで唾液分泌量が増え、口腔内の歯垢や細菌が洗い流されむし歯になるリスクが低下します。

2.どうして歯医者さんに管理栄養士??

―管理栄養士さんはいつ来てもいるんですか?

常勤のため、月曜日から土曜日まで必ずおりますので安心していらしてください。

―食事・栄養サポートは、継続して診てもらえるのですか?

一回目のカウンセリング時に不足しているところをアドバイスして「こういうの食べましょう、こういうことに気を付けましょう」という目標を立て、半年後に再評価します。

―おいくらですか?

1回3,300円です。再評価も行っています。

―どんな人が向いていますか?

歯周病の疑いがある人です。

歯周病の原因として免疫機能低下があるので、免疫力を上げるための食事の話で食事・栄養サポートを受けてもらうようにしています。

―歯周病は、食事が絡んでいる?

免疫力が落ちていると歯周病が進行してしまうので、半年に一度継続して食事・栄養サポートを受けていただくことが望ましいですね。

3.歯医者さんのついでに糖尿病検査??

―御院のインスタグラムでAGEs、エイジスって読むんですか?体の糖化ってどういう意味なんですか?測定できる機械があるみたいですが。

AGEsエージーイーですね。

後で測定してみましょう!

※AGEsについて、院長がYoutubeで解説しております。

―体の「糖化」と「糖尿病」は関係ありますか?

糖化とは、体内で過剰になった糖がたんぱく質にくっつく現象のことです。 糖化が進むとAGEsと呼ばれる老化物質が増えてしまいます。

―「血糖簡易検査」が医院で出来ると聞きました。ここはお医者さんじゃなく歯医者さんなんだけど糖尿病が分かるということでしょうか?糖尿病って自覚症状ないのでしょうか?

2型糖尿病では初期段階での自覚症状はないことの方が多いようです。
血糖簡易検査は、30代以上で健康診断を受けていない方に「糖尿病の簡易検査キットがあるので受けてみませんか?」とお声がけしています。
仕事柄不規則な生活をしている患者さんの血糖簡易検査を行ったところ、空腹時血糖値が200と高値だったため内科受診を勧めたところ、受診後に即入院だったという事例がありました。

―歯医者さんでついでに検査して見つかったというのは、画期的ですね!ちなみに保険が出来るんですか?

はい保険で出来ます、所要時間はカウンセリング込みで15分ほどで、血圧も測定します。

血糖値は空腹時での測定となるため食事は抜いてきていただく必要があります。

費用は3割負担で480円ですが、別途で初診料や治療を行えば治療費がかかります。

―歯医者さんで「健康診断を受けているか?」と聞かれるのは不思議ですね。川名部歯科医院って他でやってないことをやっていて個性的で面白いですね!実際カウンセリングを受けるのはどんな方ですか?

歯周病の方と、虫歯のリスクが高い人、インプラント治療をこれから受ける方などですね。
インプラント治療を受ける方は、糖化のお話と食事アンケートを記入していただき、食事・栄養サポートと同じことをします。インプラントを長持ちさせることに役立ちます。

入れ歯の方は「グルコセンサー」という咀嚼能力測定装置にて測定を行います。

どれくらい噛めているのかをグルコラムというグミのようなものを20秒間咀嚼し、吐きだしたろ液をセンサーチップに点けることにより、約6秒間で自動的に測定結果が表示されます。
入れ歯を作る前と後、インプラントも術前と術後の2回行います。

―感覚だけでなく、インプラントや入れ歯を入れる前と後のビフォーアフター「噛めるようになりましたよ」と数値化するのはすごい説得力、「お金払ってよかった」と思いますよね。(笑)川名部先生がおっしゃってたように「噛めるところがゴール」でなく、「噛めた後のサポートをする」つまり噛める入れ歯やインプラントがあって終わりでなく、それを使って健康になることがゴールなんですね。

寺田さんの川名部歯科で働き始めたきっかけを教えてください?

私は在宅訪問栄養指導、または食事で病気を予防する仕事を探していました。
川名部歯科医院の求人を見て、ホームページで大久保先生のインタビューを読み、ぜひ一緒に働いてみたいと思いました。

「歯科でも、嚥下内視鏡検査などが出来るんだ」と衝撃的だったのを今でも覚えています。
病院では病気になった人が治してほしくて治療をしに来ますよね、でもそうならいように予防が大切だと前職での病院勤務時に考えるようになったんです。

例えば、脳卒中を発症したら麻痺が残ってしまう、リハビリを行っても完全には回復することなく自宅に帰る、または施設にいくことになるという場合もあります。

昨日まで出来ていたことが突然できなくなる、そんなつらい思いをしている患者さんと接する日々の中で、「食事で予防することにより、病気になってしまう人たちを減らすことができるのではないか?」と思ったのです。
当院では、訪問栄養指導と病気の予防に関わることの両方を行うことができます。

―ラッキー!どっちも出来るじゃん!ということですね。訪問診療では具体的にどんなことをするのですか?

嚥下機能(えんげきのう:飲み込み)が低下していると大久保先生から診断された場合には、患者さんの生活背景を加味しつつ、どういう食べ物が適しているかをお伝えしていきます。

―(話している様子が)楽しそうですね。

大久保先生は、摂食嚥下をはじめ栄養に関する知識が豊富で代謝経路や補助栄養食品などにもとても詳しいです。
複数の学会にも入会されており、私も毎回刺激を受けたくさん学ばせていただいています。

―どんな感じで往診するのですか?

大久保先生、歯科衛生士、管理栄養士の3人で訪問します。

訪問時に管理栄養士からの食事相談が必要と判断した際には、本人とご家族の同意を得て、ケアマネージャーに連絡を取り、主治医からの指示書が届いてから訪問栄養指導が開始となります。

―嚥下が難しい方は歯が残っていない方が多い?

歯が残っていても嚥下機能低下は起こります。
例えば脳卒中は嚥下機能低下の原因のひとつです。

脳卒中を発症した場合、障害を受けた部位や大きさによりますが、食べ物が口腔内に残るようになった、飲み込む際にムセたり咳込むといった症状が出ることがあり嚥下障害が疑われます。

―子ども食堂にも行かれていると聞きましたが。

子ども食堂は、毎月第4金曜日の11時~作業療法士により転倒予防体操が行われています。

歯科衛生士と管理栄養士が交互に参加しており、歯科衛生士からは、おでこ体操(おでこに手を強く当てることで喉に力が入るため、嚥下に効果が認められている体操)やパタカラ体操(誤嚥を防ぐための訓練方法のひとつ)などを行い、管理栄養士からは誤嚥性肺炎予防やオーラルフレイル予防など歯と栄養に関するお話をしています。
子どもから高齢の方まで幅広い年代の方が参加しています。

4.歯科の現場で管理栄養士がいる意義は?

―地域を丸ごと、お子さんからお年寄りまで診てます!という感じですね。歯科の現場で管理栄養士がいる意義をどう考えてますか?

小さなお子様がいる保護者の方を中心に、食育のお話をさせていただいています。

食育について知る機会がない方も学ぶ機会がいっぱいあるようにしたい、歯医者さんをネガティブな場所じゃなくてポジティブに立ち寄れる場所になるようにしたいと思っています。

当院には、歯の生え始めの赤ちゃんから、ご両親、おじいちゃんおばあちゃんまで3世代に渡って来てくださいます。
この患者さんたちが歯科に通院することで健康でいられる、このことに管理栄養士が常駐している意義があるのではないでしょうか。

健康診断での血液検査で再検査となった、何らかの自覚症状がでてきたという場合、皆さんは病院に行きますよね。その際にかかる費用は保険が適用されます。

1割~3割負担の支払いで済む方がほとんどだと思います。
でもこれが全額自己負担だったらどうでしょうか?
できるだけ病気にならず受診しなくても済むように気を付けて、日々生活するのではないでしょうか?

つまり病気にならないようにする、予防しながら日常生活を送るということになります。
このように病気を予防する事が医療費の減額にもつながり、患者さんの健康にもつながるのです。
歯医者に来たついでに、自分の健康をもう一度見直すために管理栄養士を活用していただけたらと思います。
食生活アンケートに自分が食べたものを書くことで「自分ってこういうものを食べていたんだ」とか「こんなにたくさん食べていたんだ」などと気づくこともあるかと思います。
「この食事内容あまりよくないかな、続けていても問題ないかな」と患者さんご自身が思っていた時に、指摘されたからやめてみよう、管理栄養士の言うようにこっちの食事内容に切り替えてみようかなと、考え方が少しずつ変わっていく患者さんが増えていくことで管理栄養士が歯科にいる存在意義につながるのではないかと思います。

当院は、2022年9月1日より公益社団法人日本栄養士会より認定栄養ケア・ステーションに認定されました。
認定栄養ケア・ステーションは、食・栄養の専門職である管理栄養士・栄養士が所属する地域密着型の拠点です。(公益社団法人日本栄養士会ホームページより抜粋)
地域住民の方々が栄養ケアの支援を受けることができます。管理栄養士が毎日の食事や栄養に関する相談や健康面など気になることに対してのサポートを幅広く行っておりますので、一度ご連絡いただければと思います。

 

 

5.AGEs(体の糖化検査)を測定します(ドキドキ)

―(階段を上っている時)照明オシャレですね、歯医者っぽくない、エステみたいですね。照明1つでこんなに変わるんですね。(3階についた)ああ、ここ、ホームページに載っているところですね。

性別と年齢を入力し、測定機器に中指を入れると測定が開始されます。
AGEs のなかには、特定の光を照射すると蛍光を放つ性質を持っているものがあるため、指に光を当てることでAGEs蓄積量を測定することができます。時間は数十秒ですのでご負担なく行えます。

―健康診断ってドキドキしますよね、超重大な病気だったらどうしようとか思っちゃいます。

少し緊張感がありますよね(笑)
判定は「C」ですね。
平均は「B」と「C」の間です。
結果を見ながら食生活のアドバイスをします。
例えばお食事の際には野菜から食べるようにしましょう。 ―知り合いが妊娠の時だけの糖尿病になって、野菜から先に食べてと言われていました。糖尿病であるなし関係なく野菜や肉などのたんぱく質から食べたほうがいいんですね。家庭科の勉強のやり直しな感じです。(笑)

画面にアドバイスが表示されますが、こちらは一般的なアドバイスとなります。

「食事・栄養サポート」を受けて頂く際には、一人ひとりの生活習慣に配慮したパーソナルなお話ができます。

月一で測ったらグラフになるんです。

気になったらいつでも声かけて下さい、やってみましょう。

インタビュー後記

3階は、キッズスペースでもあります。

お子さん連れの患者さんがきて保育士さんにお子さんを預けていくのを目の当たりにしました。

管理栄養士がいて保育士さんがいて・・・いったいここはどこ何だろう?と不思議です。

今までの歯医者さんの概念が変わる、口から始まって全身を診てくれる医院さんなんだなと思いました。

院長先生にもうかがいました

-どうして管理栄養士さんを川名部歯科にと思ったのですか?

当院の理念は「患者さんの治療に対する不安や恐怖心を取り除き、生活習慣を変え、よく噛めて健康で明るく過ごせる未来を創る」です。

それを実現するためには、健康を創りだせる管理栄養士の力が必要だったからです。

「痛くて噛めない」

「歯がなくて噛めない」

これを治療やインプラントなどで解決してよく噛める状態にしても、実際の食事の塩分が高く高血圧になったり、糖分が高く糖尿病になることがあります。

よく噛める状態=健康にはならないことに気づきました。

よく噛める状態にしたうえで、摂るべき栄養、食事を変えることではじめて健康になれます。

そのためには管理栄養士の力が必要です。

病気になってから管理栄養士が内科で活躍するのではなく、歯科から「未病」の状態で管理栄養士が活躍することで多くの人の病気になる未来を変えることが出来ると信じています。

そのためには多くの人に歯科医院に管理栄養士がいるんだ!という事を知ってもらうことが大事と考え、2人に来てもらいました。